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選評 出版関係物故者 放送関係物故者
与志田選2022年総括。ノミネートに入れていない作品から一言。『鎌倉殿の13人』−一部に評価は高かったようだが、三谷ファンでありながらも自分には期待外れでしかなかった。三谷作品としてはキャラの立て方が甘く感じられたし、登場人物も多すぎ。通して見ていても誰が誰なのかよくわからない。歴史的背景上、物語全体を通して暗いトーンなのは仕方ないにしても感情移入できる要素がない。とくに砕けた印象が先行してしまう大泉洋にはコメディとのどっちつかず感が終始つきまとい、非常にちぐはぐ。ミスキャストと言わざるを得ない。『ぼくの姉さん』、『夢帰行』、『寺島町奇譚』、『およね平吉時穴道行』、『安寿子の靴』、『総務課長戦場を行く!』ほか。−押し入れ眠っていたビデオテープを整理処分しようと、残しておきたいと思われる懐かしの番組をレコーダーへダビングする。録画状態を確認すべくあらためて見るわけだが、細部についてはすでに内容を忘れていたりする部分もあり、繰り返し見ても退屈することなく、面白いものは面白い。『十字路』−あまりにも懐かしい1978年作品。DVDで購入。( 23/02/19 ) <図書部門> 『国盗り物語』(司馬遼太郎・新潮社刊) ようやく読了。残りのページが少なくなるにつれて読み終えてしまうのがもったいないと感じられる大作かつ名作でした。それは歴史ものでありながら、現代の社会や組織、人間関係にも通ずる物語がそこに展開されているからにほかなりません。光秀の心情に自分を重ね合わせる部分も多々ありました。 『MR』(久坂部羊・幻冬舎刊) 同著者ひさびさのボリューム作。しかも今作の主人公は医者ではなく、製薬会社の営業。最初はエピソードを連ねた連作ものといった感じだったのが、途中から一本の物語に集約されていくのはもともとの構想だったのでしょうか。続編が書かれるような気がします。 <映像部門> 『幕末相棒伝』( 1/ 3・NHK総合) 瑛太の坂本龍馬、向井の土方歳三というのもなかなかに"らしく"、キャスティングがよかったです。 『続 遙かなる山の呼び声』( 9/17・NHK BSプレミアム) 無理のない形で正編の後日談が作られたことに好印象を持ちました。
元東京都知事で、運輸相などを歴任した作家の石原慎太郎(いしはら・しんたろう)氏が 2月 1日、死去。89歳。( 2/ 2 読売新聞朝刊より) 1932年、神戸市生まれ。弟は俳優の石原裕次郎さん(故人)。一橋大在学中、戦後育ちの若者の奔放な姿を描いた小説「太陽の季節」で芥川賞を受賞した。 68年に参院選全国区に立候補し初当選。72年に衆院にくら替えし、環境庁長官や運輸相を歴任した。自民党衆院議員時代、保守政治の立て直しを掲げ、渡辺美智雄元副総理(故人)らと若手のタカ派集団「青嵐会」を結成。89年には党総裁選に出馬した。自主憲法制定を唱え、戦後を代表するタカ派政治家として活躍した。 95年に衆院議員を辞職、96年に石原裕次郎さんとの思い出などをつづった小説「弟」がミリオンセラーとなった。99年の都知事選で初当選し、4期目途中で辞職するまで約13年間都政を担った。強い指導力を発揮し、ディーゼル車の排ガス規制や大手銀行への外形標準課税導入などに取り組んだ。2012年には沖縄県の尖閣諸島を購入する意向を表明し、民主党の野田内閣による国有化につながった。 知事辞職後の12年11月に「たちあがれ日本」の平沼赳夫代表(当時)らと新党「太陽の党」を結成した。直後に橋下徹・大阪市長(当時)が率いる旧日本維新の会に合流し、同年の衆院選で国政に復帰した。ただ、路線対立から14年に分党。同年8月には「次世代の党」を結成し、最高顧問となった。同年12月の衆院選で落選し、政界引退を表明した。 政界引退後も作家として新作を次々に発表し、16年には田中角栄元首相の生涯を一人称形式で振り返った「天才」がベストセラーになった。
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