2019年放送関係物故者
”コマーシャルソングの女王”と呼ばれた歌手の天地総子(あまち・ふさこ)さんが 1月 6日、塞栓性脳梗塞のため死去。78歳。( 1/13 読売新聞朝刊より)
「アート引越センター」「パンシロンの歌」など約2000曲のコマーシャルソングやテーマソングを歌った。声優としても活躍、人気アニメ「オバケのQ太郎」ではQ太郎の声を担当した。
タレント活動でも知られ、NHK「連想ゲーム」にも出演していた。
「新幹線大爆破」「人間の証明」など、数々の大作、話題作を手がけた映画監督の佐藤純弥(さとう・じゅんや)氏が 2月 9日、多臓器不全のため死去。86歳。( 2/18 読売新聞朝刊より)
東京都出身。東大を卒業後、1956年に東映東京撮影所に入社。助監督を経て、63年、「陸軍残虐物語」で監督デビュー。「組織暴力」「博徒斬り込み隊」などやくざ映画で手腕を発揮した後、75年、高倉健さん主演のパニック映画「新幹線大爆破」をヒットさせた。
その後も、中国で大ヒットを記録した「君よ憤怒の河を渉れ」、角川映画「人間の証明」「野性の証明」、探検家の半生を描いた「植村直己物語」、45億円の製作費をかけた大作「敦煌」、「男たちの大和/YAMATO」など、幅広いジャンルで話題作やヒット作を手がけた。2010年の「桜田門外ノの変」が遺作となった。
鈴乃屋名誉会長、創業者の小泉清子(こいずみ・きよこ)さんが 2月17日、老衰のため死去。100歳。( 2/20 読売新聞朝刊より)
1950年に呉服店「鈴乃屋」を設立。着物の研究家として知られ、84年からNHK大河ドラマ「山河燃ゆ」「武田信玄」などの衣装考証を担当した。全国商工会議所女性会連合会会長も務めた。
「月影のナポリ」「白い蝶のサンバ」などのヒット曲で知られる歌手の森山加代子(もりやま・かよこ)さんが 3月 6日、死去。78歳。( 3/ 7 読売新聞朝刊より)
北海道函館市出身。1960年のデビュー曲「月影のナポリ」がヒット。同年のNHK紅白歌合戦に初出場した。同曲をはじめ洋楽ポップスのカバーで、明るく張りのある歌声を披露した。
70年発表の「白い蝶のサンバ」は久しぶりの大ヒット曲。「あなたに抱かれてわたしは蝶になる」と歌い出す阿久悠作詞のオリジナル曲で、8年ぶり4回目となる紅白歌合戦出場を果たした。また、映画にも出演し、坂本九さんらと共演した。近年まで歌手活動を行っていた。
日本のロック歌手の草分けで、俳優としても活躍した内田裕也(うちだ・ゆうや)氏が 3月17日、肺炎のため死去。79歳。( 3/18 読売新聞夕刊より)
兵庫県出身。1959年、「日劇ウエスタンカーニバル」に出演。66年のビートルズの来日公演では前座を務めた。「ジョニー・B・グッド」などのレパートリーで知られたほか、「フラワー・トラヴェリン・バンド」をプロデュース。同バンドは日本のロックバンドの海外進出の先駆けとなった。また、長年、年越しのロックフェスティバルを開催、今年も車椅子でステージに登場した。
映画の世界でも活躍。主演し、脚本も手がけた「コミック雑誌なんかいらない!」などが話題となった。91年には東京都知事選に立候補し、落選。2011年の東日本大震災の被災地支援にも取り組んだ。決めぜりふの「ロケンロール」もよく知られ、メディアの注目を集め続けた。
深夜ラジオ「パック・イン・ミュージック」のパーソナリティーを務め、アニメ「巨人の星」の主人公の姉などの声で知られた声優の白石冬美(しらいし・ふゆみ)さんが 3月26日、虚血性心不全のため死去。( 3/30 読売新聞朝刊より)
1967年〜82年にTBSラジオで放送された同番組で野沢那智さん(2010年死去)とパーソナリティーを務め、「ナチチャコ」コンビが人気を呼んだ。アニメ「巨人の星」では星飛雄馬の控えめな姉・明子の声を演じた。ほかにも「パタリロ」のパタリロ、「機動戦士ガンダム」のミライなどで声優を務めた。
「鉄道員(ぽっぽや)」など信念に従って生きる人の姿を描き続けた映画監督の降旗康男(ふるはた・やすお)氏が 5月20日、肺炎のため死去。84歳。( 5/27 読売新聞朝刊より)
長野県出身。東京大文学部を卒業後、東映に入社し、1966年の「非行少女ヨーコ」で監督デビュー。「現代やくざ」「新網走番外地」のシリーズなどで東映の任侠路線を担った後、倉本聰さん脚本、高倉健さん主演で、「冬の華」(78年)、「駅 STATION」(81年)を撮り、高く評価された。その後も「居酒屋兆治」(83年)、「あ・うん」(89年)、「藏」(95年)、「ホタル」(2001年)などヒット作を発表した。
特に1999年公開の浅田次郎さん原作、高倉さん主演の「鉄道員(ぽっぽや)」は、廃線が決まった北海道のローカル線を守り続ける男の不器用な人生を描き、日本アカデミー賞の最優秀作品賞、同監督賞など主要部門を独占した。晩年まで精力的に活動し、高倉さんの遺作となった「あなたへ」(2012年)、岡田准一さん主演の「追憶」(17年)など話題作も監督した。
キャンディーズの「年下の男の子」や山口百恵さんの「ひと夏の経験」など1970年代に数々のヒット曲を手がけた作詞家の千家和也(せんけ・かずや)氏が 6月13日、食道がんのため死去。73歳。( 6/27 読売新聞朝刊より)
歌謡曲の世界で活躍し、聴き手の想像力を刺激する鮮やかな描写で知られる。72年、奥村チヨさんの「終着駅」で日本レコード大賞作詩賞を受賞。ほかの代表曲は、麻丘めぐみさんの「芽生え」、麻生よう子さんの「逃避行」、内山田洋とクール・ファイブの「そして、神戸」、殿さまキングスの「なみだの操」、三善英史さんの「雨」、アニメ「魔女っ子メグちゃん」のオープニング曲など。
テレビの司会や映画解説でも親しまれた俳優の高島忠夫(たかしま・ただお)氏が 6月26日、老衰のため死去。88歳。( 6/29 読売新聞朝刊より)
兵庫県出身。1952年、井上梅次監督「恋の応援団長」の大学生役でデビュー。「青春ジャズ娘」など一連のジャズ映画で江利チエミさん、雪村いづみさんと共演し、歌うスターとして人気者になった。70年代以降は、テレビを中心に活躍した。
63年に、宝塚歌劇団で活躍した寿美花代さんと結婚。夫婦で長年、料理番組「ごちそうさま」で司会を務めたほか、クイズ番組「クイズ!ドレミファドン!」では軽妙な司会を披露した。「ゴールデン洋画劇場」の解説も長年担当し、NHK連続テレビ小説「ふたりっ子」などのドラマにも出演した。息子の高嶋政宏さんと高嶋政伸さんは共に俳優となり、一家そろってテレビ番組やコマーシャルに出演、芸能一家として親しまれた。
SMAPや嵐など数多くの男性アイドルグループを育成した芸能プロダクション・ジャニーズ事務所の社長で舞台演出家のジャニー喜多川(じゃにー・きたがわ)氏が 7月 9日、解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血のため死去。87歳。( 7/10 読売新聞朝刊より)
米ロサンゼルス出身。戦後、美空ひばりらの渡米公演を通じ、日本の芸能界とかかわりを持ち、日本に移住。指導していた少年野球チームを母体に1962年、男性アイドルグループ・ジャニーズを結成(デビューは64年)。それを機にジャニーズ事務所を創業した。
その後、フォーリーブス、少年隊、SMAP、TOKIO、V6、KinKi Kids、嵐などの人気グループを次々世に出した。また、郷ひろみさん、田原俊彦さんや近藤真彦さんらも育てた。
舞台演出家としても手腕を見せ、自らの作・演出で東京の帝国劇場で始めた、堂本光一さん主演の舞台「SHOCK」は、1700公演を記録するヒット作となっている。
2011年には、ギネスブック12年版で「1974〜2010年に計232曲のナンバーワンヒット曲を生んだ」などの業績が世界一と認定された。
オランダ人俳優のルドガー・ハウアー氏が 7月19日、病気のため死去。75歳。( 7/26 読売新聞朝刊より)
オランダの舞台、映画を経て、米俳優シルベスター・スタローンとともに映画「ナイトホークス」(1981年)に出演し、米国で注目を集めた。米俳優ハリソン・フォードと共演したSF映画「ブレードランナー」(82年)でハリウッドの人気俳優の一人となった。
アニメーターの中村和子(なかむら・かずこ)さんが 8月 3日、老衰のため死去。86歳。( 9/26 読売新聞朝刊より)
女性アニメーターの草分けとして東映動画で「白蛇伝」などに参加。その後、手塚治虫さんに請われて虫プロに移り、「鉄腕アトム」「W3」などの手塚アニメを手がけた。映画「火の鳥2772 愛のコスモゾーン」ではアニメーション・ディレクターを務めた。
「ワコさん」の愛称で知られ、NHKで放送中の連続テレビ小説「なつぞら」の登場人物「マコさん」のモデルと言われる。
声優の中村正(なかむら・ただし)氏が11月11日、胆のう炎による敗血症のため死去。89歳。(11/26 読売新聞朝刊より)
1960年代から放送された米ドラマ「奥さまは魔女」の日本語吹き替え版でナレーションを担当。細田守監督のアニメーション映画「未来のミライ」では新幹線役を務めた。
特撮監督の矢島信男(やじま・のぶお)氏が11月28日、老衰のため死去。91歳。(11/30 読売新聞朝刊より)
松竹、東映を経て1965年に特撮研究所を設立。特撮ドラマ「ジャイアントロボ」「秘密戦隊ゴレンジャー」、映画「宇宙からのメッセージ」などを手がけた。
人気アニメ「ルパン三世」の石川五ェ門役などで知られる声優の井上真樹夫(いのうえ・まきお)氏が11月29日、狭心症のため死去。80歳。(12/ 3 読売新聞朝刊より)
山梨県出身。1960年代から声優として活躍し、「巨人の星」の花形満、「宇宙海賊キャプテンハーロック」のハーロック、「キャンディ・キャンディ」のアルバートなど、数々の人気アニメで活躍した。
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