2018年放送関係物故者
テレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」や、アニメ映画「火垂るの墓」などを手がけ、アニメーション界に大きな足跡を残した映画監督の高畑勲(たかはた・いさお)氏が 4月 5日、肺がんのため死去。82歳。( 4/ 6 読売新聞夕刊より)
三重県伊勢市生まれ。岡山県で育った。1959年、東大仏文学科を卒業。東映動画を経て、74年にテレビアニメシリーズ「アルプスの少女ハイジ」を発表した。85年、同社で後輩だった宮崎駿監督と「スタジオジブリ」を設立。88年には野坂昭如さん原作「火垂るの墓」を監督し、戦争の悲劇をリアルに描いた。監督作の「おもひでぽろぽろ」(91年)、「平成狸合戦ぽんぽこ」(94年)はその年の日本映画の配給収入1位となった。
98年に紫綬褒章。2014年には、権威あるフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭の名誉功労賞を受賞した。
シンガー・ソングライターの森田童子(もりた・どうじ)さんが 4月24日、死去。65歳。( 6/12 読売新聞夕刊より)
1970年代から80年代にかけて活躍。独特の暗さを帯びた歌で熱心なファンを獲得したが、その後は表舞台から遠ざかっていた。「春のこもれ陽の中で」と歌い出す「ぼくたちの失敗」が、93年にテレビドラマ「高校教師」の主題歌として使われ、大ヒットした。
「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」「傷だらけのローラ」などのヒット曲で知られる歌手の西城秀樹(さいじょう・ひでき)氏が 5月16日、急性心不全のため死去。63歳。( 5/17 読売新聞夕刊より)
広島県出身。1972年、「恋する季節」でデビュー。精悍な顔立ちと長身に恵まれ、郷ひろみさん、野口五郎さんと共に「新御三家」と呼ばれ、人気を集めた。
力強く、ダイナミックな歌唱とアクションが持ち味。「やめろと言われても」の歌い出しで有名な74年の「激しい恋」を始め、「ローラ」と絶叫する「傷だらけのローラ」や「ブーメランストリート」などを次々にヒットさせた。中でも79年に出した、米国の人気曲の日本語版「YOUNG MAN」は「YMCA」とアルファベットを示す振り付けとともに大流行した。
70年代のドラマ「寺内貫太郎一家」に出演。小林亜星さん演じる父親との激しい親子げんかが評判となるなど、テレビの世界でも人気を集めた。
映画「羅生門」「七人の侍」など黒沢明監督とともに数々の世界的な傑作を生み出した脚本家の橋本忍(はしもと・しのぶ)氏が 7月19日、肺炎のため死去。100歳。( 7/20 読売新聞夕刊より)
兵庫県出身。肺結核で療養中にシナリオ作家を志した。映画監督・脚本家の伊丹万作さんに師事し、1950年、黒沢監督との共同脚本による「羅生門」でデビュー。同作品はベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を獲得した。その後も「生きる」「悪い奴ほどよく眠る」などの黒沢映画の脚本チームで活躍した。
黒沢映画以外にも、「切腹」(小林正樹監督)、「白い巨塔」(山本薩夫監督)、「日本のいちばん長い日」(岡本喜八監督)などの名作、話題作を手掛け、骨太で優れた構成の脚本は日本映画の黄金期を支えた。
73年には、野村芳太郎監督らと橋本プロダクションを設立。その第1回作品「砂の器」(野村監督)の脚本を山田洋次さんと共同で書いた。森谷司郎監督と組んだ「八甲田山」は興行的にも大成功を収めた。手掛けた映画脚本は約70本にのぼる。
草創期のテレビドラマの脚本でも活躍、戦争犯罪で裁かれる庶民を描いた58年の「私は貝になりたい」、59年の「いろはにほへと」は、ともに芸術祭賞を受けた。
2006年には著書「複眼の映像―私と黒澤明」を出版。13年には、脚本を手がけた1967年の映画「上意討ち」(小林監督)のテレビドラマ化に際し、自ら脚本を改稿した。
1991年に勲四等旭日小綬章受賞。
「熱中時代」など数々の人気ドラマを手がけた脚本家の布施博一(ふせ・ひろいち)氏が 8月13日、慢性腎不全のため死去。86歳。( 8/15 読売新聞朝刊より)
満州(現中国東北部)・奉天生まれ。1957年に脚本家デビュー。水谷豊さんが熱血漢の教師役などを演じて大ヒットした「熱中時代」(日本テレビ)をはじめ、ビートたけしさんの幼少期を描いた「たけしくんハイ!」(NHK)、連続テレビ小説「純ちゃんの応援歌」(同)など、ホームドラマを得意とした。2000年に糖尿病で失明した後も、ロングラン公演中の「友情〜秋桜のバラード」など演劇を中心に幅広く活躍した。
脚本家の石原武龍(いしはら・ぶりゅう)氏が 8月24日、胃がんのため死去。66歳。( 8/30 読売新聞朝刊より)
静岡県出身。1979年にテレビドラマ「七人の刑事」(TBS)でデビュー。「はぐれ刑事純情派」シリーズ(テレビ朝日)、NHK連続テレビ小説「やんちゃくれ」など数々のテレビドラマを手がけた。
人気アニメ「サザエさん」の主人公の母親フネの声を46年間担当した女優の麻生美代子(あそう・みよこ)さんが 8月25日、老衰のため死去。92歳。( 9/ 4 読売新聞朝刊より)
1969年の「サザエさん」初回放送から2015年まで磯野フネ役を務めた。アニメ「アルプスの少女ハイジ」のロッテンマイヤーの声も担当。バラエティー番組「和風総本家」では、ナレーションを務めた。
NHK大河ドラマ「草燃える」などを手掛けた演出家の大原誠(おおはら・まこと)氏が10月 6日、肺がんのため死去。80歳。(10/18 読売新聞朝刊より)
京大卒業後、1960年にNHK入局。大河ドラマ第1作の「花の生涯」で演出助手を務め、「徳川家康」「八代将軍吉宗」などを演出した。90年のNHKドラマスペシャル「不惑につき…」で芸術選奨文部大臣賞を受賞。99年にNHKを退職後、民放のドラマを手掛けた。
カナダ人俳優のダグラス・レイン氏が11月11日、死去。90歳。(11/14 読売新聞夕刊より)
スタンリー・キューブリック監督「2001年宇宙の旅」(1968年)で、暴走する宇宙船搭載の人工知能「HAL9000」の声を担当。「コンピューターの反乱」を抑揚のない口調で演じ、強烈な印象を残した。
アニメーターの中邨靖夫(なかむら・やすお)氏が11月25日、慢性骨髄性白血病のため死去。78歳。(11/30 読売新聞朝刊より)
ヤンマーディーゼル(現ヤンマー)のテレビ天気予報番組のアニメキャラクター「ヤン坊マー坊」の生みの親。同番組は、全国の民放局で2014年まで、55年にわたり放送された。
ドラマ演出家の中川晴之助(なかがわ・はるのすけ)氏が11月25日、肺炎のため死去。87歳。(19/ 2/22 読売新聞朝刊より)
1955年、ラジオ東京(現TBS)に入社。特撮ドラマ「ウルトラQ」や渥美清さん主演の「泣いてたまるか」といった作品を手がけた。父は画家の中川一政さん(1991年死去)、女優の中川安奈さん(2014年死去)は次女。
テレビアニメ「一休さん」の一休さんなど、数多くのキャラクターの声を演じた声優の藤田淑子(ふじた・としこ)さんが12月28日、浸潤性乳がんのため死去。68歳。(12/29 読売新聞朝刊より)
「キテレツ大百科」のキテレツ、「デジモンアドベンチャー」の八神太一など少年役を多く演じたほか、女優やテレビ番組のナレーターとしても活躍した。
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