放送期間:昭和53年 6月 3日〜54年 1月 6日(全31回) 放送時間:土曜 後 9:00〜 9:54 制作著作:フジテレビ 制作協力:フジプロダクション、田宮企画
解説: 医学界の内幕に鋭いメスを入れた作品として知られる山崎豊子の『白い巨塔』は、昭和41年に映画化(田宮二郎主演・山本薩夫監督)されたのをはじめ、その翌年にはNETがドラマ化(佐藤慶主演・関川秀雄演出)、そして後にも何度となく映像化される機会を得たが、中でも一番の完成度を誇るのがこの昭和53年フジテレビ系の『白い巨塔』だ。それは原作における続編部分までを完璧にドラマ化したということもあるが、何よりも人間関係の丹念な描写がとりわけ光っていたということに尽きる。田宮が演じる野心家の財前五郎はもとより、財前と対極に位置する学究肌の里見脩二を演じた山本學、財前と里見の間で自身の生き様について悩み苦しむ柳原弘役の高橋長英など、それぞれが役として置かれた立場を見事に演じきっていた。とくに映画とはキャスティングに何人かの共通する役者が起用されているため、見比べてみると面白い。なお、主演の田宮二郎は、本作の収録終了直後に猟銃自殺。そのことがまた話題を呼んで、最終回近くの視聴率を跳ね上げた。追悼番組として総集編が組まれたのも民放のドラマとしては異例のことである。 Copyright (C) 2007 Ta-kumi. All rights reserved. |