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● NHK大河ドラマ

No.07 勘助のつぶれた目はどっち?

当初の予感どおり「風林火山」が面白いです。こうしたワクワク感をもって見る大河は、昨今では「北条時宗」以来かな…。
ところで隻眼と伝えられる勘助ですが、つぶれていたのはどっちの目でしょう。今回ドラマの勘助は左目に眼帯を巻いてますが、歴史本などでよく目にする具足姿で書状を読む肖像画のそれは右目を閉じていますよね。
でも、何点か存在するという"武田二十四将図"の中の勘助は、今回のドラマどおり左目を閉じているものもあるんですよね〜。ましてや西やんの勘助は両目を開いていたし。やはりそこは謎の人物ですか。( 07/02/14 )


No.06 「風林火山」スタート

今年のNHK大河「風林火山」。初回を見た印象はマル。面白くなりそうな予感がありました。
とくに序盤の展開は原作にない脚本家のオリジナルとのことですが、ひさびさに主役が立っているというんでしょうか、人間臭さがあり躍動感にあふれた内野聖陽がいいですね。
ここ数年の大河は主人公にいまひとつ魅力を感じられないものが多かったんですが、今回はちょっと期待してよさそうです。( 07/01/14 )


No.05 年を取らないヒロインたち

この正月、ビデオを借りてきて『春日局』を見ました。なんで今頃と思われるかもしれませんが、ここ数年来大河のデータ整理をしていてほとんどのタイトルはチェックが済んだのだけど、あまり見たいと思わなかったタイトルが後回しになっていたというわけです。
そもそも与志田は橋田作品って、あまり好きじゃないんです。で、放送当時もあまり真剣に見ておらず、たいして印象に残っていなかったのだけど、今見返してみるとこれが意外と面白い。不覚にも涙させられる場面もあったりして……。
総集編としてまとまりがよく(実際、ハイライトシーンだけを編集して、ドラマとしてはまとまりの悪い総集編も多いですよね!)、全編を通してみると主役の大原麗子がうまく年を取っているんですね。あれこそ芸というものです。
それに引き換え最近の大河女優たちは年を取らない。雰囲気だけで役を演じているようなところがある。去年は『利家とまつ』の松嶋菜々子、酒井法子など、まったくそのいい例でしょう。放送評論家の誰だったかが書いていたけど、あれでは学芸会の芝居です。興ざめです。( 03/01/04 )


No.04 勝新はどこだ……

NHKソフトウェアから発売されている『独眼竜政宗』の総集編第2巻を持っている人は、さっそく取り出して観てみましょう。タイトルロールにおけるキャストのトメは、勝新太郎(羽柴秀吉)となっていますね。
では問題。勝新演じる秀吉は、いったいどこに出ているのでしょう? 見つけられた人はいましたか。おそらくいないはずです。というのも、勝新は本放送第八回からの出演者であったものの、総集編第二回にはその登場シーンが収録されていないんですね。じゃ、このタートルロールが間違っているのか……。
いえいえ、総集編第二回における勝新は本編ではなく、この『独眼竜政宗』あたりからお馴染みとなった冒頭の歴史解説コーナーに出ていたんですね。総集編が放送された際にも、歴史コーナーは毎回入っていたのですが、ビデオ化された総集編の中で入っているのはなぜか第一回のみ。歴史コーナーは時事に関するネタが多いことから、時代にそぐわなくなったものはカットされてしまったのだと与志田は勝手に推察してるのですが、実際のところどうなんでしょう。( 00/12/02 )


No.03 与志田が選ぶ大河ドラマベスト5

NHK大河ドラマは、来年放送の『北条時宗』でいよいよ40作を数えます。これを機会にというわけでもないのですが、歴代の大河の中から与志田にとって忘れられないタイトルをここにあげておきたいと思います。

第1位『花神』(1977)
大河といえば『花神』。もうこれ以外には考えられないくらい、与志田にとってはダントツの第1位です。「ひとりの男がいる――」にはじまるオープニングナレーションは、今でも諳んじて言えます。群集劇としての完成度の高さに毎回釘付けにされ、移り継がれる人間の意志ということにひどく感動させられました。むろん、配役は絶妙です。
第2位『黄金の日日』(1978)
スタッフおよびキャストの誰もが、ノリに乗って作ったという感じのする作品です。幸四郎さん演じる助左の成長ぶりがよかったし、根津甚八の五右衛門には男惚れ、拓ぼん演じる善住坊の絶命シーンにはホント泣かされました。また、藤吉郎から太閤へと登りつめていく秀吉の人間性も、緒形拳が見事に演じきっています。
第3位『国盗り物語』(1973)
本作もまた登場するひとりひとりのキャラクターが息づいていました。脚本のうまさもあるのでしょうが、語り手のテンポがいいんですよね。ウエスタン調の曲、戦場を駆ける馬と足軽たち、オープニングのみで選ぶなら、本作がトップかも知れません。全話を通してもう一度みたいタイトルです。信玄もいいけど、これ再放送してくれ〜。
第4位『獅子の時代』(1980)
文さんに剛ちゃんのダブルキャスティングで、ホント贅沢な作りでした。劇中に挿入歌が流れるのも新鮮でよかったです。このEP持ってるんだけど、プレミアついてるかな……。
第5位『独眼竜政宗』(1987)
おそらく多くの人が支持していると思われる本作ですが、与志田にとってはこのあたりに落ち着きます。というか、これ以前のタイトルがよすぎるんですよね。
番外『勝海舟』(1974)
じつはこれ、全話を通してちゃんと観ていません。でも、石橋蓮ちゃんの吉田寅次郎、藤岡弘の竜馬、ショーケンの以蔵あたりは、ドラマの筋を別にしても強烈な印象として残っています。肝心の主人公である松方海舟の記憶がほとんどないくらいに……。それとオープニングが、曲およびタイトルバックとともに最高!

さて、あとはどれもほぼ同列に位置しており、順位をつけることができません。しいて印象に残るタイトルをあげるなら、『山河燃ゆ』『翔ぶが如く』『太平記』『信長』『炎立つ』『徳川慶喜』といったところでしょうか。あ、それと60年代のタイトルは評価できるほどの記憶がないということもつけ加えておきます。( 00/11/30 )


No.02 聞き覚えのある名

名作の誉れ高い『黄金の日日』ですが、今回はその中からひときわ印象に残る一場面(?)をお届けします。放送第三十一話、主人公助左(松本幸四郎)と成長した今井宗久の隠し子である桔梗(竹下景子)との再開シーン。助左はかつて幼少の桔梗を世話しており、その後十数年、離れ離れにあったという筋書きです。
とある夕暮れ時、旅姿の桔梗が助左に声をかけて呼び止めます。
助左「ぬしゃ、誰だ。(一部略)名は?」
桔梗「桔梗」
助左「桔梗……ききょう? 聞き覚えのある名だな……」
といったやりとりが交わされるのですが、この「聞き覚えのある名だな」という台詞がミソ。幸四郎さんが言うと、「ききょうぼえのある名だな」と駄洒落のように聞こえてしまい、妙に笑えてしまうんですね。おそらくは大マジメなシーンのはずなのに……(文字で書くとこのニュアンスを伝えるのが難しいです。口に出して言ってもらえるとわかるかも)。
この迷シーン(?)は総集編の第三回にも収録されているので、皆さんもぜひビデオで観て確認してみてください。( 00/11/17 )


No.01 水戸の烈公と細川越中守綱利の関係

『徳川慶喜』で水戸の烈公こと徳川斉昭を演じたのは、菅原文太。その彼が翌年の『元禄繚乱』では、赤穂四十七士のお預け先のひとつである細川家の当主・細川越中守としてゲスト的な出演を果たしたことは記憶に新しいところ。
で、さかのぼること35年。『花の生涯』で同じように水戸の斉昭を演じた嵐寛寿郎は、翌年の『赤穂浪士』でやはり細川越中守としてゲスト出演しているのです。これって、単なる偶然?( 00/11/16 )


● 日本テレビ青春ドラマ

No.05 山本迪夫氏死去

映画監督の山本迪夫(やまもと・みちお)氏が 8月23日、肝臓がんのため死去。71歳だった。( 8/28 読売新聞朝刊より)
怪奇映画『血を吸う薔薇』や、テレビドラマ『太陽にほえろ!』『俺たちの勲章』『俺たちの朝』などを演出した。( 04/12/31 )


No.04 上條逸雄氏死去

脚本家の上條逸雄(かみじょう・いつお)氏が 8月14日、肺炎のため死去。70歳だった。( 8/16 読売新聞朝刊より)
『これが青春だ』から脚本に参加した氏は、『でっかい青春』『おれは男だ!』『飛び出せ!青春』『われら青春!』と、前・中期の青春シリーズに名を連ねた。氏の手掛けたテレビドラマは、ほかに『サインはV』『積木くずし』などがある。( 02/08/18 )


No.03 永原秀一氏死去

脚本家の永原秀一(ながはら・ひでいち)氏が11月14日、心不全のため死去。61歳だった。(11/17 読売新聞朝刊より)
映画『狙撃』『最も危険な遊戯』、ドラマ『西部警察』などアクションものの脚本を数多く手掛けた氏は、『おれは男だ!』『飛び出せ!青春』『おこれ!男だ』など、一連の青春シリーズにもその名を残している。( 01/11/29 )


No.02 土屋統吾郎氏死去

監督、演出家として数々のテレビドラマを手掛けた土屋統吾郎氏が 3月24日、急性腎不全のため死去。65歳だった。( 3/26 読売新聞朝刊より)
氏は新東宝に入社後フリーとなり、『飛び出せ!青春』をはじめ、『われら青春!』『俺たちの旅』『俺たちの朝』『俺たちの祭』、さらに『青春ド真中!』から『あさひが丘の大統領』まで、中期以降のほとんどの青春シリーズに参画。また、『太陽にほえろ!』や『傷だらけの天使』など、日本テレビ系の人気ドラマも数多く手掛けた。70年代をこれらの番組とともに過ごした世代には忘れがたい名前である。合掌。( 01/04/01 )


No.01 汚いハンカチ

現在放送中の大河『北条時宗』でも、例によってキレた演技をかましている浅野温子。公式資料によれば、彼女のデビュー作は1977年から翌年にかけて放送されたTBS系のテレビ小説『文子とはつ』となっていますが、それ以前の彼女をここに明かしましょう。
じつはその一年前、『俺たちの朝』の第七回「出逢いと愛と別れ」に、脇役ともいえないほんのちょい役で出演しているのです。シーンは次のとおり。
とある朝、極楽寺の駅で電車を待つメインキャストの面々。ふたりの女の子が近寄り、ヌケ(秋野太作)に声をかけます。
女の子A「おじさん」
ヌケ「おじさん!」
女の子B「このハンカチ落とさなかった?(と手にしたハンカチを見せる)」
ヌケ「(ポケットを探りながら)……ああ」
女の子A「汚いハンカチ」
女の子B「やーね、中年は」
この女の子Aが浅野温子で、台詞は「おじさん」と「汚いハンカチ」の二言だけ。画面に映るのは、10秒にも満たないのではないでしょうか。おそらく役名はないと思われますが、一応タイトルクレジットに浅野温子と名前は出ています。彼女にもこんな時代があったのですね。年齢を計算してみたら、このときの温子さんは15歳でした。
ちなみに『俺たちの朝』では、昨年亡くなられた三浦洋一や、シャアこと池田秀一の顔なども見られます。( 01/01/31 )


● テレビドラマ全般

No.11 懐かしいけど情けない

TOKYO MXで「ミラーマン」を再放送しています。おそらくまともに見るのは本放送以来の35年ぶり。懐かしさのあまり毎回見ているのですが、内容がないよう…(~_~;)。
とにかく話が、ドラマがない。防衛隊として機能すべき"SGM"もほとんど活躍していない。というか防衛上まったく役に立っていないでしょ。
後の「ファイヤーマン」あたりはもう少しSF的趣向が凝らされていて、マシだったように記憶しているんだけど、あのころの特撮ものってみんなこんなんでしたっけ…。( 07/11/06 )


No.10 2005年テレビドラマ総括

与志田選2005年テレビドラマ総括。今期は単発と連続、内容的にも硬軟そろって、印象に残るタイトル6本をノミネートしました。( 06/04/10 )

『空中ブランコ』( 5/27・フジテレビ系)
不良精神科医とエロい看護師のもとに訪れる心を病んだ患者たち。奇抜なキャラクター設定がイケてます。パート2もありでしょう。
『海猿』( 7/ 5〜 9/13・フジテレビ系)
テレビドラマとは思えない緻密なセットと壮大なロケ。映画に劣ることのない骨太の作りに圧倒されました。人間ドラマの部分も丁寧に描かれ、ポイントは高いです。
『電車男』( 7/ 7〜 9/22・フジテレビ系)
多分に誇張はあるものの、ネットという絵になりにくいメディアをドラマ内でたくみに表現し得たことを高く評価。原作(?)にはないストーリー的味付けも心憎くありました。
『実録・小野田少尉 遅すぎた帰還』( 8/13・フジテレビ系)
中村獅童が演じる小野田少尉の壮絶な半生。ドラマとしての脚色があるとはいえ、このような人が同時代を生きてきたことに驚かされます。
『あいのうた』(10/12〜12/14・日本テレビ系)
玉置浩二の愛すべきキャラクターと性善説につらぬかれたストーリー展開。かつてフジ系で放送された『こんな恋のはなし』が思い出されます。
『クライマーズ・ハイ』(12/10〜12/17・NHK総合)
キャスティングが渋く、それだけにリアリティーが感じられました。前、後編とぐいぐい引き込まれ、見終わった後には元気をもらった気がします。


No.09 2005年物故者

演出家の井下靖央(いのした・やすお)氏が 5月13日、肺がんのため死去。66歳だった。( 5/14 読売新聞朝刊より)
「ふぞろいの林檎たち」「渡る世間は鬼ばかり」など、数多くのドラマを演出した。

脚本家の山田正弘(やまだ・まさひろ)氏が 8月10日、肺がんのため死去。74歳だった。( 8/16 読売新聞朝刊より)
吉田喜重監督の映画「告白的女優論」や、テレビ「ウルトラQ」「ウルトラマン」、NHK「中学生日記」などの脚本を手がけた。

歌手で女優の本田美奈子(ほんだ・みなこ)さんが11月 6日、急性骨髄性白血病のため死去。38歳だった。(11/ 7 読売新聞朝刊より)
東京都出身。1985年「殺意のバカンス」でデビューし、その年の日本レコード大賞新人賞を受賞。ロック色の強いパワフルな歌声が人気で、「1986年のマリリン」などのヒット曲を出した。
92年に「ミス・サイゴン」の主役に抜擢されたのを機に、ミュージカル界へ活躍の場を広げ、「レ・ミゼラブル」「王様と私」などの作品で活躍した。

脚本家の鈴木尚之(すずき・なおゆき)氏が11月26日、肺がんのため死去。76歳だった。(11/29 読売新聞朝刊より)
東映の助監督を経て、脚本家に。内田吐夢監督の「宮本武蔵」5部作や「飢餓海峡」、テレビドラマ「白い巨塔」などの脚本を手がけた。( 06/ 1/ 1 )


No.08 2004年テレビドラマ総括

与志田選2004年テレビドラマ総括。とりあえず毎週観るのが楽しみだったドラマということで挙げています。実際には、期待はずれということもありましたが…。( 05/02/13 )

『新選組!』( 1/11〜12/12・NHK総合)
それまでの大河が持っていたイメージをよくも悪くも打ち崩してしまった大河。大河ファンかつ三谷ファンである与志田としては、自分の中でも評価が定まりません。
『ウルトラQ dark fantasy』( 4/ 6〜 9/28・テレビ東京系)
これまた『ウルトラQ』としては見られないですね。上原正三さんはがんばっていたんですが…。『Q』のタイトルを掲げるからにはもっと怪獣を出さなけりゃ…。
『世界の中心で、愛をさけぶ』( 7/ 2〜 9/17・TBSテレビ系)
恥ずかしくなるくらいの純愛ものながら、不覚にも胸がときめいてしまいました。さすがにベストセラーだけのことはある。ヒロインの綾瀬はるかに毎週ドキドキ。
『ジイジ 〜孫といた夏』( 8/16〜 9/ 6・NHK総合)
正統的なハートウォーミングドラマ。気がつけば、昨今はこの手の作品も少なくなりましたね。西やんもいつのまにやらシルバー世代?
『3年B組金八先生』(10/15〜放送中・TBSテレビ系)
またまた帰ってきました金八先生。ここまでくると『水戸黄門』よろしくマンネリ感は否めませんが、とりあえず安心して観ていられる連続ドラマです。


No.07 松原みきさん死去

歌手の松原みき(まつばら・みき)さんが10月 7日、子宮けいがんのため死去。44歳だった。(12/14 読売新聞夕刊より)
1979年のデビュー曲「真夜中のドア」がヒット。近年はテレビアニメの主題歌など、作曲を中心に活動していた。( 04/12/31 )


No.06 2003年テレビドラマ総括

与志田選2003年テレビドラマ総括。ノミネートはわずかに4本。しかも気が付けばその大半がリメイク作品です。昨今のドラマにおいて企画にオリジナリティーが感じられないのはドラマファンとして淋しくあります。( 04/01/26 )

『武蔵』( 1/ 5〜12/ 7・NHK総合)
歴史的事象を追わない大河。この点については賛否両論あったようですが、こういうのもありかなと…。気合のこもった「!」付きタイトルと「次回予告」が粋でした。
『ラブ・レター』( 6/18・テレビ東京系)
この手のドラマで主人公をやらせたら西田敏行の右に出る役者はいないでしょう。不器用な男の悲哀を描き、2003年の単発ドラマでは最高峰。
『高原へいらっしゃい』( 7/ 3〜 9/ 4・TBSテレビ系)
前作に比べると人物設定が中途半端で、書き込みもいまひとつ。とはいえ、つまらなかったわけではありません。もっと面白くなるべき要素は多々あっただけに残念です。
『白い巨塔』(10/ 9〜放送中・フジテレビ系)
25年前の田宮版の印象があまりにも強烈で始めのころは軽視していましたが、なかなかどうして回を重ねるごとに目が離せなくなりました。井上由美子の脚色もマル。


No.05 2002年テレビドラマ総括

与志田選2002年テレビドラマ総括です。自分にとって昨年はドラマが不作でした。観た番組が少なかったというわけではないのですが、印象に残るタイトルが数えるほどしかありません。以下、そんな中からサイト主宰者お好みの6タイトルを挙げましょう。( 03/03/02 )

『君を見上げて』( 2/19〜 3/12・NHK総合)
山田太一の新作ドラマは放送されたものの、どれもいまひとつ。山田本人は原作の立場にとどまり、大森寿美男が脚色した本作のほうがよほど面白かったです。
『実録 福田和子』( 8/ 2・フジテレビ系)
フジテレビが放送する犯罪者の実録ものは毎度見ごたえがあります。本作では再現ドラマ風の作りが、よりリアルな感じをかもし出していました。
『アルジャーノンに花束を』(10/ 8〜12/17・フジテレビ系)
この年の一押しタイトルです。原作の味を損なうことなく、なかなかの感動作に仕上げられていました。母親の存在を膨らませた脚本の手腕を高く評価したいです。
『HR』(10/ 9〜放送中・フジテレビ系)
シチュエーション・コメディーということで、笑いのツボも十分に抑えられてはいますが、なんか物足りない。三谷幸喜には本格的なドラマを期待しちゃいます。
『鬼畜』(10/15・日本テレビ系)
緒形拳主演の映画は怖い内容だったように記憶していましたが、たけし演じる本作はなんとも切ない物語に仕上がっていて、涙させられました。
『天才柳沢教授の生活』(10/16〜12/11・フジテレビ系)
ユニークです。原作の漫画はまったく見たこともないのですが、松本幸四郎演じる教授の道化役が抜群。編成の関係でしょうか、わずか9回で終わってしまったのが残念。


No.04 2001年テレビドラマ総括

未見の録画テープを消化しようとしていたら、すっかり時期外れになってしまいましたが、与志田選2001年テレビドラマ総括をお届けします。昨年もお伝えしたよう、ここに掲げるタイトルは必ずしもベスト作というわけではありません。サイト主宰者の作品嗜好をご理解いただくための手がかりとして参照くだされば幸いです。( 02/03/29 )

『菜の花の沖』( 1/ 6〜 2/ 3・NHK総合)
司馬遼ファンとしてはドラマ化を楽しみにしていた作品だったけれど、竹山洋って人間の描き方が甘いんですよね。
『北条時宗』( 1/ 7〜12/ 9・NHK総合)
ひさびさに毎週観るのが楽しみだった大河ドラマ。個人的には歴代大河のベスト10に入れたく思います。
『Strawberry On The Shortcake』( 1/12〜 3/16・TBSテレビ系)
視聴者の期待をいい意味で裏切った野島ドラマ。もしかすると野島伸司は山田太一のカラーを色濃く継いでいるのかも。
『天国までの百マイル』( 4/26・テレビ東京系)
原作は読んでいないけれど、ハートウォーミングな内容は故人となった脚本家松原敏春ならでは。室井滋がよかった。
『蜜蜂の休暇』( 6/11〜 7/ 9・NHK総合)
池端俊策は相変わらず深遠なドラマを構築してくれます。決して一般受けする内容ではないのだけど……。
『反乱のボヤージュ』(10/ 6〜10/ 7・テレビ朝日系)
設定に違和感を残しながらも、ぐいぐいと見せてしまうのは脚本家野沢尚の手腕といったところ。
『3年B組金八先生』(10/11〜放送中・TBSテレビ系)
今シリーズはひさびさに盛り上がったんじゃないでしょうか。もちろん第二シリーズにはおよびませんが……。
『42歳の修学旅行』(10/20・NHK総合)
自分と同世代の心情をつづるドラマで身につまされます。ただこのテーマに殺人というシチュエーションは無用でしょう。
『聖徳太子』(11/10・NHK総合)
歴史に疎い一般の視聴者には内容的にわかりづらかったのでは……。大作だけにもう少し娯楽色も欲しかったです。
『忠臣蔵1/47』(12/28・フジテレビ系)
忠臣蔵ストーリーのツボをうまく押さえ、テンポよく描いたドラマ。今さらを感じさせない井上由美子の脚本が秀逸。


No.03 2000年テレビドラマ総括

2000年に放送されたテレビドラマの中から印象に残るタイトルをあげておきます。むろん、世間の評判が高くても実際に観ていないタイトルは数多くあります。というわけで、これは必ずしもベスト作というわけではありません。サイト主宰者の作品嗜好をご理解いただくための手がかりとして参照くだされば幸いです。( 01/01/19 )

『蒲生邸事件』( 3/11・NHK総合)
純粋なSFとして観るには粗が目立ちますが、ヒューマンなドラマとしてうまくまとめられていました。
『天使が消えた街』( 4/12〜 6/28・日本テレビ系)
清水有生は好きな脚本家のひとりです。『すずらん』は観てなかったけど……。
『YASHA−夜叉』( 4/21〜 6/30・テレビ朝日系)
原作の設定と展開を少し変えることで、逆にキレのあるいい味のドラマに仕上がっていました。
『合い言葉は勇気』( 7/ 6〜 9/14・フジテレビ系)
いまひとつと感じられる部分もあったけど、昨今安心して観ていられる連続ドラマはやっぱり三谷作品だけ。
『百年の物語』( 8/28〜 8/30・TBSテレビ系)
評価したいのは全三回のうち第三夜のみ。脚本は類型的であるものの、渡部篤郎の演技が光っていました。
『鉄甲機ミカヅキ』(10/22〜放送中・フジテレビ系)
近頃にないキワモノといった感じ……。なんだかんだ言いながらも楽しみに観ています。
『三億円事件−20世紀最後の謎−』(12/30・フジテレビ系)
脚本の矢島正雄、演出の藤田明二、主演のビートたけし、職人肌の顔ぶれが揃った骨太のドラマでした。


No.02 ミツルギならぬミカヅキ

『ミツルギ』(知ってる人いるのかな〜)じゃなかった、『鉄甲機ミカヅキ』観てる人いますか? この間の第二回を観て、こりゃ、かつての特撮もの(SFXなんて言わないで)やアニメへのオマージュだなという印象がますます募りました。
設定からして往年の名作『ジャイアントロボ』を髣髴とさせるのはもちろんのこと、東映の戦隊シリーズやメタルシリーズのビジュアル的影響が大ですものね(雨宮慶太って、もとは東映特撮ものの怪人デザインを手掛けていたらしいから、当然といえば当然かも)。それに、統括官(?)のユニフォームは『マクロス』の早瀬美沙って感じだし、三日月とロボットを重ね合わせたショットはジョージ秋山の『ザ・ムーン』だし、もっとさかのぼれば手塚治虫の『魔神ガロン』の要素もあるしで……。
がんばって作っているなという意気込みは感じられるのですが、そのすべてが、「あれ、これどっかで見たような」と思えるものばかり。ま、それが悪いというわけでもないんですけどね。これって漫画でも連載してるんでしたっけ。そっちはまったく見たことないのでわかりません。( 00/11/30 )


No.01 『黄金の日日』コンビといえば……

松本幸四郎の主演、市川森一の脚本という『黄金の日日』コンビといえば、たしか現在放送中の日本テレビ系『明日を抱きしめて』もそうでしたね。でも、これは第一回を観たところ、あまりにもつまらなくて、二回目以降は観るのやめてしまいました。( 00/11/17 )


● 映画全般

No.06 2005年映画総括

与志田選2005年映画総括。この年のノミネートはわずかに2本です。劇場ではほかに『宇宙戦争』『スター・ウォーズ エピソード3』を観ましたが、さほどの印象は残っていません。 ( 06/04/10 )

『ゴジラ FINAL WARS』(04/12/ 4公開)
―2004年東宝 松岡昌宏 北村龍平監督
ゴジラ映画の最終作ということで、ひさびさに劇場にて鑑賞。一部に評判はよくなかったようだけど、自分にとっては楽しんで観ることができました。いうまでもなくこれはゴジラ映画へのオマージュですね。
『海猿』( 6/25・フジテレビ系)
―2004年フジテレビほか 伊藤英明 羽住英一郎監督
原作がコミックであることから観る前は軽視していましたが、なかなかに重厚かつ骨太な作りにその思いは一変。重厚、骨太は与志田にとって最大級の褒め言葉です(^.^;)。


No.05 2004年映画総括

与志田選2004年映画総括。劇場では一本観たんですが…。『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 裂空の訪問者デオキシス』(長いタイトルだな〜)。( 05/02/13 )

『ペイ・フォワード 可能の王国』( 1/ 1・日本テレビ系)
―2000年アメリカ ハーレー・ジョエル・オスメント ミミ・レダー監督
まったく予備知識なしで観たのがよかったのかも。子役中心のドラマという点を差し引いてもあり余る感動作。見終わってようやくタイトルの意味がわかりました。
『Returner』( 8/28・フジテレビ系)
―2002年フジテレビジョン 金城武 山崎貴監督
単なるアクションものと思いきや、キレのいい映像に加えてシナリオがなかなかに粋。ラストのどんでん返しにはやられたという感じです。
『座頭市』(11/28・テレビ朝日系)
―2003年バンダイビジュアル ビートたけし 北野武監督
北野監督作品にしてはめずらしく単純明快なその内容。勧善懲悪という図式で、テンポよくわかりやすいエンターテインメントに仕上げられていました。
『壬生義士伝』(12/30・テレビ東京系)
―2003年松竹 中井貴一 滝田洋二郎監督
大河『新選組!』の終了直後に見たため、印象がちぐはぐ。斎藤一と芹沢鴨がだぶっちゃうし、沖田と山南がこれまた…。でも作品はよかった。


No.04 2003年映画総括

与志田選2003年映画総括。この年、劇場で観た作品は一本もありません。すべてテレビ放送のものです。( 04/01/26 )

『マルコヴィッチの穴』(02/12/27・TBSテレビ系)
―1999年アメリカ ジョン・キューザック スパイク・ジョーンズ監督
異色、そしてある意味衝撃作。どことなくコミカルでありながら、その一方で形而上的な内容にすっかり引き込まれてしまいました。
『ホワイトアウト』( 1/ 4・フジテレビ系)
―2000年ホワイトアウトパートナーズ 織田裕二 若松節朗監督
「邦画もがんばっています」といった心意気を感じさせてくれた作品です。シュワちゃんには到底およばないけど、不死身のヒーロー織田裕二に拍手。
『ハンニバル』( 3/23・テレビ朝日系)
―2000年アメリカ アンソニー・ホプキンス リドリー・スコット監督
前作『羊たちの沈黙』にもまして過激な描写の数々。それに目を覆いながらも観てしまう。怖いもの見たさの心理でしょうか…。


No.03 2002年映画総括

与志田選2002年映画総括です。テレビドラマと同様、こちらもあまり印象に残るタイトルがありません。劇場では『スター・ウォーズ エピソード2』を観たんですけどね…。ここにはどちらかというとサイト主宰者好みのマイナーなタイトルが挙がっています。( 03/03/02 )

『サトラレ』( 5/24・日本テレビ系)
―2001年サトラレ対策委員会 安藤政信 本広克之監督
ヒューマンドラマなのかコメディーなのか、どっち付かずの感はありましたが、なかなか面白く観ることができました。"サトラレ"ってホントにあるんでしょうか…。
『華氏451』( 6/14・NHK衛星第2)
―1966年イギリス オスカー・ウェルナー フランソワ・トリュフォー監督
トリュフォーといえば、監督よりも『未知との遭遇』の科学者役といったほうがピンと来ます。トリュフォーが映画監督だと知ったのは、それよりしばらく後のことでした。
『アルマゲドン・特別編』( 6/15・フジテレビ系)
―1998年アメリカ ブルース・ウィリス マイケル・ベイ監督
登場人物も魅力的ですし、なるほどその盛り上げ方を否定するものではありませんが、石油採掘人が宇宙に飛び立つという設定はいまだ解せません。
『黒い家』( 7/18・テレビ東京系)
―1999年黒い家製作委員会 内野聖陽 森田芳光監督
西村雅彦と大竹しのぶの怪演に圧倒されました。ホラー映画とわかっていても「こんなことはもしかしたらあるかも…」と、背筋がゾッとしちゃいます。


No.02 2001年映画総括

ビデオに録画しながら観ていない映画がたまっております。気がつくと、一年以上も前に録画したものが引き出しの奥に眠っていたりして……。そんなわけですっかり時期外れになりましたが、与志田選2001年映画総括です。ドラマ総括と同様、サイト主宰者の作品嗜好をご理解いただくための手がかりとして参照ください。( 02/03/29 )

『メン・イン・ブラック』( 1/12・日本テレビ系)
―1997年アメリカ トミー・リー・ジョーンズ バリー・ソネンフェルド監督
アイデアがいい。ばかばかしいことを真剣にやっているばかばかしさがいいです。ヘンな説得力もあったりして……。
『エアフォース・ワン』( 1/19・日本テレビ系)
―1997年アメリカ ハリソン・フォード ウォルフガング・ペーターゼン監督
戦う大統領のそれはいかにもアメリカのエンターテインメント。日本の総理が戦ったら…、と誰もが考えてしまうところ。
『ライフ・イズ・ビューティフル』( 1/21・テレビ朝日系)
―1998年イタリア ロベルト・ベニーニ ロベルト・ベニーニ監督
自分の好きなチャプリン映画に通ずるものがあるという評につられて観ました。まあ、つまらなくはなかったけれど。
『秘密』( 1/27・TBSテレビ系)
―1999年TBS 広末涼子 滝田洋二郎監督
広末涼子の背伸びした演技がその特異な役柄とマッチしていました。大人のメルヘンにジーンと来ることしばしば。
『地雷を踏んだらサヨウナラ』( 5/ 3・テレビ東京系)
―1999年チームオクヤマ 浅野忠信 五十嵐匠監督
ご遺族がコメントしているように浅野忠信がはまり役でした。ドキュメンタリー風の淡々とした演出もマル。
『クロスファイア』( 7/28・TBSテレビ系)
―2000年東宝ほか 矢田亜希子 金子修介監督
自分にとって『ガメラ』はつまらなかったけれど、これはわりと面白く観ることができました。
『X‐ファイル ザ・ムービー』( 9/23・テレビ朝日系)
―1998年アメリカ デビッド・ドゥカブニー ロブ・ボーマン監督
テレビシリーズの映画化ですが、なかなか結末を見せないその内容。このシリーズはどこまでいくのでしょう……。
『A.I.』( 6/30公開)
―2001年アメリカ ハーレイ・ジョエル・オスメント スティーブン・スピルバーグ監督
男の子が母親の愛を独占したいと願う内容に涙しました。女の子が母親を、じゃないところがミソなんですね。


No.01 2000年映画総括

昨年は劇場に一度も足を運ぶことがありませんでした。というわけで、2000年の映画総括はすべてテレビ放送のものです。ただし、これまた世間の評判が高くても実際に観ていないタイトルは数多くあります。ベスト作ということではなく、サイト主宰者の作品嗜好をご理解いただくための手がかりとして参照くだされば幸いです。( 01/01/19 )

『風と共に去りぬ』( 1/ 3・テレビ東京系)
―1939年アメリカ ビビアン・リー ビクター・フレミング監督
これまで観る機会はいくらでもあったはずなのに、この年になってようやく全編を通して観ました。
『陽のあたる教室』( 3/26・NHK教育)
―1995年アメリカ リチャード・ドレイファス スチーブン・ヘレク監督
『ジョーズ』『未知との遭遇』以来、リチャード・ドレイファスは好きな外国人俳優のひとりです。
『学校V』( 4/28・日本テレビ系)
―1998年松竹ほか 大竹しのぶ 山田洋次監督
前二作はどうってことなかったけれど、これにはちょっとばかり泣かされました。自分との接点が近しいからかな……。
『12モンキーズ』( 7/15・フジテレビ系)
―1995年アメリカ ブルース・ウィリス テリー・ギリアム監督
こういうのをレトロな感じのSFというのでしょうか……。時間テーマのSFにはセンチメンタリズムがつきものです。
『催眠』( 8/27・TBSテレビ系)
―1999東宝ほか 稲垣吾郎 落合正幸監督
後味の悪い作品は基本的に好きじゃないのですが、ついつい見入ってしまいました。原作は読んでいません。
『天国への階段』( 8/27・NHK教育)
―1946年イギリス デビッド・ニーブン マイケル・パウエル/エメリック・プレスバーガー共同監督
これまた今さらのように初めて観ました。じつのところ、未見の名作ってまだまだ多いんですよね。
『スピード2』(10/14・フジテレビ系)
―1997年アメリカ サンドラ・ブロック ヤン・デボン監督
エンターテインメントとしての完成度は前作よりも高かったのではないかと思います。サンドラ・ブロックもいいっす。



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